「日和、屋上で何すんだ?」



凛が話しかけてくる。



「えっ…?

あー、それは秘密っ!

もちろん、凛達も立ち入り禁止だからね?」



「なっ、俺達にも言えねぇのかよ?」



「うんっ」



迷いのない私の言葉に一瞬凛がうろたえた。



ごめんね、こればっかりは…ちょっと…



「………。

じゃあ遠くから見てるだけにすっから」



「だーめっ」



そう言ってもムスッとして諦めてくれそうにない凛。



この様子じゃ、こっそり覗きそう…



「おーい」



突然秀ちゃんの声が聞こえた。



ステージ下の秀ちゃんに目を向けると、副会長から受け取ったであろうマイクが手に握られている。



「『今日1日、日和の言うことを聞くこと』

これ、俺からの命令ね。

クラス企画、9組が優勝したし」



秀ちゃん…!



ニコッと笑った秀ちゃんが神様に見えた。



私達の間で決めたルール『優勝したクラスのメンバーの言うことを1つ聞く』。



自分の利益にならないのに、私のために使ってくれるなんて…!



秀ちゃんの言葉を聞いて凛が口を塞ぐ。



この感じなら大丈夫そう…!