独り占めしても、いいですか?

「ほら、行くぞ日和」



凛が先に階段に足をかけて私の手を引いた。



そのまま体育館中央まで伸びたランウェイをゆっくりと歩く。



タキシード姿の凛を見ちゃうと、結婚式みたいに錯覚しそうで、なんとなく顔が見れない。



だからあえて横を向いて笑顔を返すようにした。



中央の少し広いスペースまできて、私は予定通りブーケトスをするため、凛の腕から手を離した。



私がブーケを構えると、女の子達が楽しそうにはしゃいでそれぞれ手を伸ばす。



けど、実は私の中でこれを渡す人は決まっていた。