独り占めしても、いいですか?

足だけじゃない、全身がガタガタと震えた。



血の気が引いて、力が入らない。



繋いでいる凛の手をギュッと握りたいのに、それすら叶わない。



「日和…?

おい、日和!大丈夫か⁉︎」



凛が私の代わりにギュッと手を握る。



返事をしたいのに…それすらできない。



「エントリーNo.10!

雛咲 日和ちゃんはピンクの淡いドレスだね!

テーマは『ミス・桜坂』!

それじゃあどうぞー!」



優ちゃんが言葉を言い終わった。



行かなくちゃ…



歩かなくちゃ…



でも…足が、動かない…!