独り占めしても、いいですか?

どうしよう…ここからどうしたら…



考えれば考えるほど悪い想像が浮かんでくる。



そんな時…



「ブッハ、せんせー何やってんのー?」



誰かわからないけど、そんな声が突然聞こえた。



「え、何それー!ちょーうけるんですけど!」



あちらこちらでそんな声が聞こえて、クラス中に笑いが広がる。



何…?



先生…?



よくわからないけど、今確かに言えることは、この笑いは私に向けたものじゃないってこと。



私は恐る恐る凛の後ろから顔をのぞかせた。



「…え、ドミ…ノ?」



先生は教卓の上でドミノを始めている。



ブロックが教卓に乗らなくなったところで手を止め、満足そうに微笑むと、倒さずに1つ1つ回収し始めた。



「せんせー、それ倒さないのー?」



「倒す瞬間って寂しいでしょ?

だから嫌なんだよね」



先生が手を動かしながら答える。



「つか、なんでドミノー?」



「みんなアイドルに夢中だったから。

熱が冷めるのを待つのも暇だしね。

ドミノ、好きなんだよ」



へ、変な先生だなぁ…