独り占めしても、いいですか?

「ょり……日和!」



「あっ、ごめん…何?」



「しっかりしろよ?

2番目の先輩、帰ってきたぞ」



凛に言われてステージに目を向けると、黒いマーメイドラインのドレスに身を包んだ先輩が、反対側のステージ裏へ歩いていた。



先輩が見えなくなって、優ちゃんがアナウンスしたら私の出番。



「さぁ!ラストは…ここまでぶっちぎりで勝ち抜いてきた…

ひよ姫こと、雛咲 日和ちゃんでーす!」



きた…!



ブーケを握る手にキュッと力が入る。



これがラストステージ。



「日和、行くぞ」



「うん」



私と凛は眩い光の中に足を踏み入れた。