独り占めしても、いいですか?

「つーか日和、大丈夫なのかよ」



「……え?」



「体調は…平気なのか?」



「あっ、うん…万全…じゃ、ないけど…

多分、大丈夫と思う」



正確に言えば、今は大丈夫なだけ。



1stステージと2ndステージは、正直大丈夫じゃなかった。



倒れるほど…じゃなかったから良かったけど…



でも、そんなこと正直に言ったら、凛のことだしファイナルステージに出ることを止めそう。



「秀也のやつから『そっとしといてやれ』って言われてっから言いたくねーけどさ…」



凛が少し困ったそうな顔をした。



「あんま、心配かけんじゃねーぞ」



そう言って髪が崩れない程度に頭を撫でてくれる。



その触れた手に、いつもより割り増しでドキドキしたけど、それ以上に胸があったかくなった。



多分、みんなはちゃんとわかってるんだろうなぁ…



私の中で、何かが変わってきていることに。



全部わかった上で、何も言わずに見守ってくれてる。



すごく、あったかい…



「あっ、けど!

俺たちのステージを観なかったことについては…」



「ほら、凛、始まったから静かに」



「おい!」



もうその下りは飽きた。



いや、うん、ごめんなさい、とは思ってる。



ちゃんと。