独り占めしても、いいですか?

私は思い切ってドアに手をかけた。



ガラガラ…



ドアを開ける音が響く。



ドアを開けた瞬間、みんなの視線が私達に集まった。



・・・・・。



みんなが固まっている中、最初に声をかけてくれたのは先生。



「あ、おかえり。

お迎えご苦労様。

えーっと、そっちのは雛咲で…」



「きゃーーーーーっ!」



先生の声を遮って歓声が飛ぶ。



急だったから、思わず体がビクッとした。



みんなからジロジロと好奇の目で見られる。



よく聞こえないけど、何か話してる。



絶対私達のことだ…



私は怖くなって、凛の後ろに隠れた。



無数の目が私を取り囲んでいるような感覚。



ただ1つ、凛と繋いだ手だけが暖かかった。