独り占めしても、いいですか?

「あー、いいよいいよ、そーゆーの。

私1人で行けるし」



意外にも、女の子は喜んだりはしなかった。




「あんた達、噂の『Sanlight』でしょ?

名前くらいは知ってるけど、私、キョーミないから。

別に、『実はイメージと違う人でしたー』とか、言いふらさないからさっ!」



凛と透は興味がないって言われて、ちょっと顔を引きつらせた。



サバサバしてる子だなぁ…



その子はグッと大きく背伸びをして、私達の横を通り過ぎる。



「じゃっ」



最後にそう言って、その子は保健室を出て行った。



ピシャッと音を立ててドアが閉まる。



それを合図に2人のアイドルモードが切れた。



「っんだよあいつ。

くそっ、ムカつく…」



凛が頭を掻きながらドアの方を少し睨んだ。



「俺達もまだまだってことだろ。

……けど、今度は絶対…」



透はムスッと口をへの字にした。



2人はあの子のこと、あまり好きじゃないのかな…?



「日和、あーゆー友達は作んなよ!」



「そうだ。日和の友達には向いてない」



2人が念を押すように言う。



確かに、今まで関わったことないタイプの子だけど…



「私は、いい子だと思うなぁ…」



「はー?」



「…なっ⁉︎」



理由はないけど…なんとなく、悪い子じゃないと思う。



私は、仲良くなって見たいな…