独り占めしても、いいですか?

もうそこまで痛くないし、もう歩けるかな…?と思って、



「透、もう大丈…」



ガラッ!



『大丈夫』そう言おうとしたところで言葉が遮られる。



「日和!」



「えっ、り、凛?」



突然ドアが開いて凛が駆け込んできた。



「日和…

悪い、俺が一緒にいてやれば…」



冷やしている私の足を見て心配そうな顔をした。



「ううん、もう大丈夫だよっ!

透が手当てしてくれたの。

もう痛くないし、心配しないで?」



凛を安心させるようにニコッと笑いかける。



「そっか…ならよかった。

ありがとな、透。

……あ、あとお前、早く教室戻れ。

ホームルーム始まってんぞ?」



「理由を言えば大丈夫だろーけど」と付け足してチラッと保健室の時計に目をやった。



そっか、ホームルーム…



すっかり忘れてた。



私のせいで、透まで初日から遅刻させちゃった。



「めんどくさい。

日和を教室まで送ってからいく」



「いやいや、俺がいるからいいって。

同じクラスなんだし。

俺は先生に許可もらってっからいいけど、お前は無断だろ?」



「………」



私は2人が話している間に、湿布を貼って靴下とスリッパに足を通す。



立って少し歩いてみたけど、全然大丈夫だった。