独り占めしても、いいですか?

今度は宮川さんの方に体を向ける。



「宮川さん、ドレスの余りってありませんか?

うちの榎本、それにInfinityの葉山さんと夜月さんも女装ですよね。

しかも、全員ドレス着用だったと思います」



正直、スカートならなんでもよかった。



けど、エンディングが結婚式のシーンになってるからにはやっぱドレスだろ。



本当なら白と言いたいところだが、そこまで追い求めるのは無理だ。



「ドレスの余りはあるけれど…ごめんなさい、靴がないの。

一ノ瀬君は他のみんなと身長はそう変わらないけれど、足のサイズが小さめでしょう?

……正確には他の子が大き過ぎるのよね」



さすが宮川さん。



俺達の1人1人の靴のサイズまで覚えてるのか…



「靴なら今履いている物を使います。

膝を曲げて歩けばドレスの裾で靴は隠れますし、王子との身長差もできる」



「一ノ瀬君がいいならいいけれど…凄く大変よ?」



長時間膝を曲げて動くのはどれだけきついか想像つかねーが、まぁ気合いでなんとかなる。



「やれます!」



これで2人目。