独り占めしても、いいですか?

☆*:.。. .。.:*☆



『準備整いました、照明お願いします。

5秒前、4、3、2、1…』



幕が上がった。



人の動きが収まった舞台裏で、俺は総合プロデューサーの徳田さんに近づく。



徳田さんは衣装担当の宮川さん・演劇担当の浦さんの2人と真剣な表情で話し込んでいた。



「すみません、ちょっといいですか」



「おー?どうした?」



3人が俺の方を向く。



「前置きとかぶっ飛ばして、単刀直入にお願いします。

俺に、シンデレラを演じさせてください」



ザワッ。



3人だけじゃなく、言葉を聞いた裏方全員が俺の方を振り向いた。



「ほら目離すなー」



徳田さんの言葉でハッとして仕事の方に戻る。