独り占めしても、いいですか?

「スキあり!」



颯斗さんの声が聞こえて、目の前に意識を戻すと、かなり間合いの近いところまで詰められていた。



ちょうどいい、ここで倒れておくか。



いや、そんな簡単に倒れるのもおかしい。



一度剣を受け止めて、適当によろけていれば颯斗さんが切るだろ。



カンッ!



咄嗟に剣を受け止めたフリをしてわざと後ろによろける。



「もらった!」



ビュンッ



颯斗さんの剣が大きく斜めに振られた。



「うっ…」



苦しむフリをしてその場に倒れこんだ。



『照明、いつでも消せます』



無線から声が聞こえる。



「敵は倒れた!

レオ、リュカ、……ついでに魔法使いも、先へ急ごう」



「ついでって酷くない⁉︎」



照明が落ちた。