「日和、おはよう」



その声を聞いて振り向くと、凛の隣の家から透が出てきていた。



今起きたと言わんばかりのぴょこっと跳ねた寝癖がかわいい。



まぁ、透はサラッサラのストレートヘアだから、何分かしたら戻るんだけど。



「おはよ、透」



凛と同じように、透にも抱きしめてもらおうと手を広げると…



「……何かあったのか?」



透が動きを止めて不思議そうに尋ねた。



「え?

何もないと思うけど…

どうして?」



「凛が…なんか変だ」



そう言われて凛の方を向く。



変って…顔が赤いことかな?



今はそこまで気にならないけど…



「さっき、首にキス…されたからかな?」



変わったことといえばそれしか思い浮かばない。



「なっ⁉︎

………おい凛…」



透が声を低くして凛を睨む。



こんなに感情を見せてくるなんて珍しい…



「べ、別にいいだろ⁉︎

俺だって充電したかったんだよ…」



凛が顔を真っ赤にして、開き直ったように言った。



最後の方だけはボソボソと口を尖らせる。