「凛、おはよ」



「おお、はよ。…ほら」



凛が腕を広げて、私はその中にすっぽり入った。



凛の温もりが全身に回っていくみたい。



朝は特に辛いわけじゃないけど、凛と透は毎日ギュッてしてくれる。



私もさらに元気が湧いてくるから、朝イチのハグは好きかな。



「ありがとっ」



そう言って、いつものようにスッと離れようとすると…



チュッ



「へっ⁉︎」



私の首筋に何かが触れた感覚がした。



今のって…



気のせい…じゃ、ないよね?



首にキス、されたよね?



なんだか、触れたところが熱い。



「…凛?

どうしたの?」



されたところに手を当てて問いかける。



キスなんて初めて。



何かあったのかな…?



それに、凛の顔が少し赤い気がする。



「いや、俺が、充電したかった。

一応アウトだけど…今日から高校生だし、少しくらいいいよな。

……嫌だったか?」



「んーん、嫌じゃないよ」



そう言うと凛が少し笑った。



充電って、元気のことだよね?



凛もそんなことあるんだ…



アウトってなんの話だろう…