さまよう爪

椅子に座ると彼女が何点か色を選択してくれてその中から好みを聞かれて。

片方の目を彼女のお勧めのものに、もう片方を私が選んだ物を中心にメイクしてくれるという。

お勧めのものが明るいものだったので、わたしは髪色と同じ位の明るさの色を選択する。

今しているアイメイクを落とされ、色々塗られる。

彼女の手さばきにうっとりする。化粧が上手い人はいいなあ。

その途中で、ああそうか。

眉毛を明るくするのには眉マスカラを使うのがいいのか。

今までは暗い色だったからアイブロウペンシルで済んでいたけれど、髪の毛が明るいとこっちのほうがいいんだな。これは絶対買おう。

髪を切ったせいでお財布の紐が確実に緩んでいる。

数十分でメイクが完成。

BAさんの技術に感心していたのであっという間だった。

なるほど、わたしが選んだものよりは、BAさんが選んだもののほうがいいメイクだと思える。

わたしが選んだほうは髪とアイメイクが同じ色で統一感が在る。

だけれどどこかのっぺりとした感じがある。

それに比べてBAさんが選んだ明るいアイメイクは髪と目元にメリハリがあって、互いの色を引き立てているようだ。それにこっちのほうが気持ちも明るくなる。

片方のメイクもそっちにしてもらう。

タッチアップされながら使用したコスメの説明を受けて。

アイシャドウは定番の5色セットのものを使っていた。

ライナーは似たような色がリキッドとペンシルに有るらしく、どちらを選んでもメイクの印象は大きく変わることがないという。

だったらペンシルのほうが簡単でいいか。

リキッドや水溶きタイプ、ジェルのほうが色々出来て便利なのだろうけれど。