「じゃ、失礼します! おやすみなさいませ! 小野田さん、絶対、また会ってください! 絶対、遊びましょうっ!」

必殺技にとっておいてあると思われるスマイルを見せて、彼はきびすを返し、Suicaを改札機にくっつけた。

派手な警告音が出て、改札のドアがバターンッといきおいよく閉まった。

瀬古さんは少しのあいだ動きが止まっていたが、やがて振り返る。2人で笑った。

「チャージするお金ある? 貸しましょうか?」

「いや、二千円あるんで大丈夫」

本当に大丈夫ですか? 今日は何だか、この言葉ばかり使っているような気がする。