そしてーーー
「来た…」
ボソリと呟く相川くんの目線の先には、暗闇に一筋光る綺麗な光。
みるみる内に、上がっていって…
大きな音と共に、空中に綺麗な光の花を咲かせて消えた。
「…綺麗」
次々に打ち上げられる花火に心が奪われたような感覚に陥る。
ーーーと、
「…っ!!」
急に相川くんの指が私の指に触れた。
え、え…?
ドキドキが止まらない。
戸惑う私に彼はどこかぎこちない笑顔を向けてきた。
相川くん、どうしたんだろう…?
不思議に思っていると、徐々に相川くんが私との距離を縮めてきた。
ゆっくりと2人の隙間が埋まっていく。