祝日だからだろうか、道路はかなり混んでいた。





あぁ、渋滞が嫌だったんだ…?





納得した。

兄は渋滞にハマったのが相当嫌らしく、長い溜め息をついた。



「…渋滞が嫌だったからそんなピリピリしてたんだ?」



運転席の兄に向かって声をかける。
が、兄は「は?」と言って、言葉を続けた。



「…違ぇよ」



たったそれだけ。





よく分かんない。





やっとの事で渋滞から抜けると、車はグングンとスピードを上げた。


気付かなかったけど、兄の車に乗るのは今日が初めてだ。


何気運転上手なんだなぁ…
なんて。


言ったら調子に乗るから言わないけど。