私と彼と兄と

あぁ、やっぱり何かーーー





「……別れた」


「…え」



私が問う前に、兄は自ら答えた。





別れたってーーー

なのにこんなにも……





「……前より活き活きしてる」



思わず口から声が出てしまった。

気がついた時には遅かった。


兄は、まぁな、と言うと、また視線をテレビの方へと移した。



「あ、勝った」


「あ…」



ピロリロリー…!



と、テレビゲームの音。


余所事を考えている間に、兄に負けてしまったのだ。



「あー、楽しかった!」



無邪気な笑顔を見せる兄。