私と彼と兄と

相川くんもその中に混じって、こっちに来る。



「や、やばい、華、こっち見てるよ」



雑誌で必死に顔を隠しながらコソッと架純が言う。


気付いた時には時すでに遅し。


相川くんは私たちの方に向かって一直線に歩いてきた。


そして、



「え、華じゃん!」



びっくりしたような表情を私に向ける。


私はどんな顔をしたらいいのか分からなかった。

とりあえず、スマイルスマイル!



「どーしたの、こんな所で」



浸たる汗を腕で拭いながら彼が訊いてきた。