私と彼と兄と

だって、彼が浮気なんかする訳ないんだもんーーー

あんなに優しくて、一途で、私の事ばっか考えてくれてーーー





楽しかった過去の思い出ばかりが色鮮やかに蘇る。


涙が出そうだった。



目を伏せた私に架純が気付いたのか、優しく頭を撫でてくれた。



「バレんよーに泣けよ〜」



ひねくれた愛。



「…うん、ありがとう」





やっぱり架純は分かってくれる。





暫く練習を見ていると、休憩時間に入ったのだろうか、部員たちが一気にベンチの近くのウォータークーラーに集まってきた。