間島を好きだ、
と気づいても、私には隣の席という以外に間島との接点はなかった。
ろくに話したこともない、ひとめぼれのようなものだ。
だからこうやって言葉を交わすこと自体、ありえないこと、そう思っていた。
「帰るよ。忘れ物取りに来たの」
心の中で深呼吸をし、平静をよそおう。
「ふうん。」
間島が含みのある反応をする。
「見てたでしょ、さっき」
「え?」
とっさのことで言葉が出ない。
そんな杏に構わず間島は続けた。
「告白されてるところ」
「……」
何て答えればいいかわからなかった。
何て答えれば正解だろう。
何て答えたら彼女になれるんだろう。
と気づいても、私には隣の席という以外に間島との接点はなかった。
ろくに話したこともない、ひとめぼれのようなものだ。
だからこうやって言葉を交わすこと自体、ありえないこと、そう思っていた。
「帰るよ。忘れ物取りに来たの」
心の中で深呼吸をし、平静をよそおう。
「ふうん。」
間島が含みのある反応をする。
「見てたでしょ、さっき」
「え?」
とっさのことで言葉が出ない。
そんな杏に構わず間島は続けた。
「告白されてるところ」
「……」
何て答えればいいかわからなかった。
何て答えれば正解だろう。
何て答えたら彼女になれるんだろう。