「なんでお前なんかが心配してんだよ」



声の主は楠見だった。



「……え、えっと」


「俺の大会だ、お前には関係ない」


「……!」



確かにそうだ。

澪和はまだ引退しない。

明日の大会で引退する事になるのは楠見なのだ。


だが、この言葉は澪和を傷付けた。




確かに関係はないかもしれない。

だけど……




「……私だって、伝統部の一員ですもん…っ」



自然に涙が出てきた。


澪和はそう言い放って部室を走って出ていった。



「……あっ、澪和ちゃん!?」


「海空!!」