部室に戻った澪和は、入った瞬間に張り詰めた糸が緩んだように、その場に倒れこんでしまった。


すぐに桐神が駆け寄ってくる。



「大丈夫ですか!?」



城津はコーヒーを持ってきてくれた。

楠見はというと、窓際に座り、チラチラと零和の方を見てきている。




……………落ち着く




澪和は伝統部に入って初めてそう感じた。

西条と御影がいないだけで、こんなにも落ち着くのか、と。



「今の伝統部はバラバラだからね…。部長も不在だし」



城津は困ったな、と頬を掻く。



「あいつがいなくても、3年は俺がいるし。俺が部長になっても良かったんだし」



楠見は少し拗ねたような感じで言う。