西条と澪和が落ち合ったのは、部室の近くにある図書室の前だった。

西条は、やっと見つけたというように、猛ダッシュで澪和に駆け寄る。



「海空っ!どこにいたんだ?」



一瞬ビクッとなる澪和。



「え、えと、花壇の方に…」


「花壇……御影、そこにいるのか!?」



西条が両目を大きく開く。



「も、もう今はいませんっ。…帰ってしまいました」



澪和は目をそらし、御影から貰ったペットボトルをきつく抱き締める。



「あんちくしょー!!逃げやがって!」



西条は悔しそうに拳を握ったあと、澪和が持っているペットボトルに気が付いた。