「あ~もぅっ、なんで僕がこんなこと……っ」



 すっかり静まり返った3―Dの教室で、佐々木は手に持ったプリントをピラピラとさせている。



 ガラッ…



「失礼します。…あの、部長…」



 澪和は扉を開け、すぐに佐々木の姿を確認した。

 佐々木は窓側の席で、机の上に沢山の書類のようなものを乗せた状態で突っ伏している。



「……え、その声、もしかして澪和ちゃん…?」



 澪和の声に反応し、佐々木はゆっくりと頭を上げる。



「えとっ…、大丈夫…ですか?」



 駆け寄ってくる澪和の姿を見て、さも満足そうに微笑む。



「澪和ちゃんは優しいね♪ほんと可愛い。大好きだよ」