「海空を傍に行かせるのは、まずその如何わしい本を片付けてからだな」


「……うっ」



 西条は如何わしい本が飛び出ていたことに気付いていなかったのか、慌てて鞄の中に隠した。

 楠見は汚らわしいものを見るような目をし、



「え、なに…、そういう趣味だったの?」



 西条に問いかけた。

 御影も便乗し、



「そうみたいですね。何冊か持っているみたいですし」



 西条を見る。

 西条はというと、半べそ状態になり、必死に抵抗した。



「ちげーよっ、俺じゃねぇよ!クラスの奴が欲しいっていうから買ってやっただけだよ!!」