「すみませんっ、遅れましたっ」



 息を切らしながらやって来たのは御影だった。

 制服には何か動物の毛らしきものが沢山付いている。



「おぃっ、ちょっ、お前きたねーだろ!!」



 動物が苦手な西条は顔を真っ青にして御影を見遣る。

 楠見は暫く見つめていたが、



「…ネコ?」



 毛を見て判断したのか、口を開いた。

 御影は驚きの表情を見せ、



「先輩、凄いですね。正解です」



 毛を手に取った。

 西条はというと、まだ真っ青だ。



「おぃおぃ…そんな震えるほどか?たかがネコだぞ?しかも毛」



 楠見は半ば呆れているようだ。