「…うっ……、ぐすっ…、えと、今何て…?」



込み上げてくる涙を飲みながら、澪和は城津を見上げる。



「………ッ!!!」



涙目で上目遣いをしてくる女子…。

男ならばこの感情を抑えきる事は出来ないだろう。




――襲いたい




城津は澪和を見る度込み上げる気持ちを自制し、澪和を安心させるよう笑顔を向ける。

澪和はそんな城津の思いなど露知らず、まだ見上げたまま、



「……お兄さん…ですか?」



城津の顔を覗き込みながら言う。