部室に戻ると西条が不機嫌を隠しきれていない顔でパイプ椅子に足を組んで二人を待っていた。

ギロリと御影を睨み、



「遅かったじゃねぇか。…何だよ御影。後輩に手ェ出してんじゃねぇよ…」



じりじりと御影に近寄る。

一方の御影は涼しい顔をしたままで、何も言葉を発しない。

それが余計に気に食わなかったらしく、西条は小さく舌打ちをし御影の胸ぐらを掴んだ。



「……ッ!!!」



澪和は目の前で起きている状況を止めようと、



「西条先輩っ、止めてください!!御影先輩は更衣室を紹介してくれただけですっ!!」



二人の間に割って入ろうとした。

西条は澪和の言葉を聞き、目を見開き御影の胸ぐらを掴んだままの手にさらに力を入れた。