「…っ、みっ、御影先輩っ!ここは私には…っ」


「良いから入れ。何遠慮してるんだ」


「遠慮じゃなくて…っ」




――男子更衣室




部室の奥にある部屋のドアにはそう書かれているプレートが掛かっている。



「…ああ、このプレートが気に入らないのか」



そう言うと御影は木のプレートを外した。



「そういう問題じゃなくて…ッ」



まだ動揺している澪和の肩を押し、御影は無理やり更衣室へと入れさせた。



「大丈夫だ。わざわざ男子更衣室なんて書かなくても、この部は男子しか居なかったんだ。プレート無しでも十分男子更衣室だ」



サラッと言い、涼しい顔をする御影。



「うぅ…」



澪和は両手で顔を覆い、なるべく更衣室内を見ないようにする。

その様子を見て御影はため息混じりに、