「あ〜、もう暑いなぁ」



佐々木は澪和がまさか佐々木の事を思っていたなんてつゆ知らず、シャツをパタパタさせている。



「扇風機つけますか?」



暑そうにしている佐々木に桐神が自前の小さな扇風機を差し出す。



「えぇ!何コレ!かわいい!時雨くんよくこんなの見つけたねぇ〜!」



目の前に現れた小さな扇風機に佐々木は興味津々だ。




…子供みたいで、無邪気で、なんだか…




「ふふっ」



思わず澪和は笑ってしまった。

その笑い声に佐々木は反応する。



「なーにー、澪和ちゃんっ。僕をバカにしてるでしょ〜??」


「えぇ!滅相もない!違いますよっ」



澪和は慌てて首を横に振る。