夢現物語

藤一条の姫君が女房勤めをしている頃、また、和泉や逢鈴も女房として二人の姫に仕えていた。

「和泉の君。」

新参者の和泉は、まだ藤一条の姫君とは違い、桜に目通りは許されていない。

「和泉の君は大人しいのね。新参者は気に入られようとして出しゃばるのに。」

よく、他の女房に言われた。
他の女房は自分と同じくらい若く、美しい。

「和泉の君は、藤一条の君をご存知?」

「藤一条………えぇ、知っておりますわ。」

私自慢の姫様です、と言いたいのを慌てて堪える。