異世界征服

周りにはまだ取り巻きがいて、もうアイツなんかに関わらない方がいいよ、とか、そんな声が俺に聞こえる程に話されていた。

弁解とかをするような性格じゃないから、俺はまた外を黙って見る。
俺と取り巻きが言い争いをしたからか、チラチラと視線を感じる。
恐らくこれから、少なくともこのクラスで、俺のことを良く思う奴はいないだろう。
また俺に関わりたがる奴も。

俺は、それを望んでいた。
人と関わることには、最も関わりたくない。
俺はずっとそうだから、今更考えを変える気もない。

「席について。ホームルーム始めます」
突然に、そう言って教室に入ってきたのは、スーツの女。
察するに、この特進クラス1年A組の担任教師。
髪を高くに一つに纏めて、眼鏡をかけたインテリ系の女。
クラスの奴らは、早々と席につく。

「まずは皆さん、入学おめでとうございます。私はこの1年A組の担任教師、青木です。よろしく」
青木が小さく礼をしたのに合わせて、生徒も礼をする。
「では話を切り替えます。この私立光明高校は、日本でも五本の指に入る進学校です。まずは、光明の生徒である自覚を持って、恥じることのない行いをしてください」
生徒たちは「はい」と声を揃えて返事をする。

「そして今ここにいる皆さんは、特進科のトップです。光明では、半年に一度、クラス替えテストを行います。これの結果によって、クラス替えが行われます。また、それとは別に、定期テストの結果次第でも、クラスが変わることもありますので、気をつけてください」
もう一度「はい」。

「では、一限は自己紹介と配布物を配ります。これでホームルームは終わり」
最後に「はい」。

青木はそうして教室を一度出ていった。
その後、同中のグループなのか席が近い奴らでなのか、いくつかに別れて話し始めた。
勿論のことながら、俺は何処にも属さず、一人でずっと外を見ていた。
窓際及び一番後ろの席ということもあり、何の妨げもなくずっと見ることが出来た。

それからは、さっき青木が言った通り、自己紹介と配布物などで一限を終えた。
教材なども配られ、早速今日から宿題があるとのこと。
また、明日からは授業も始まり、七限までやるらしい。