ガタッ



もう我慢の限界だ



当てられた紙飛行機を持って立ち上がり

猿どもの方をクルっと向いた





「さっきから、ごちゃごちゃうるせーよ。」



グシャッという紙を握り潰す音と共に出たのは


これでもかというぐらいの低い声




「授業中は静かにするもんだし、宿題は紙飛行機にするもんじゃねえ。

それに人に当てたらまず、謝れよ。


んなこともわかんねーのかよ、このクズどもが。」



教室の全員、呆然。



それでも私の口は止まらない。



「おい、ケイスケ。お前、野球部じゃねーのかよ。

そのくせにこんなノーコンでどーすんだ。

こんなんならな、とっとと辞めちまえ。下手くそが。」


そう言って握り潰すしたプリントをゴミ箱へ投げる


中学の時にソフトボールをしていた私の投げたプリントは


綺麗な弧を描いてゴミ箱へゴールイン


今まで黙っていたおじいちゃん先生の
『おぉっ!』という関心の顔が

視界の端に映る。


なんというか…


この先生も大概だ。



「あと、この際だから言わせてもらうわ、ずっと思ってたこと。


お前らが授業面白くなくて、態度悪くて勝手に成績落ちんのは勝手だけどな


人の邪魔はだけはすんな。わかったかノーコン。」