私がどんなに頑張っても、参拝者の願いは叶えられない。
あの子を護ってあげる事も出来ない。
私はこの神社に付くただの妖だった。

数時間が経ち、笑っていた子達はあの子を残して此処を去って行った。
ボロボロになった神社と、優しいあの子を残して。
私は泣いているあの子の元に駆け寄った。
「ごめんね、あの子達にここがバレちゃった。大丈夫?ごめんね、ホントに、ごめんね…」
泣きながら私を抱き締める。
この子の手はやっぱり優しくて温かい。
「私のせいでこんな事になったのに、護ってあげられなくてごめんね…」
(泣かないで、大丈夫だよ。君を護ってあげられなくてごめんね)
頭から血を流していたこの子は、私を抱きしめて意識を失った。
か弱い人の子は、きっとこのまま死んでしまう。
こう言う時は、キュウキュウシャを呼ぶらしいが、私にはその方法が分からない。
私はこの子を生かす最終手段を実行してしまった。