「何がしたいの?」
無表情ながらも、怒りを纏わせて風花は言う。
その空気はとても儚い危うさを持っていた。
「別に…ただ、僕はずっと風花の味方だってこと」
「どこぞの化け狐が私の味方で?だから、何?」
「……また、僕を見てよ……」
最後の呟きは、風花の耳に入る事は無かった。
「何と言っても無駄だよ。脅されても、日和様の味方だって確信出来るまで君を神使と認めるわけにはいかない」
風花が立ち上がり、僕を見下ろす。
その瞳は、触れる事なく、僕を見つめていた。
ー痛かったね、もう人を傷つけてはだめだよ?
(あの頃の彼女は、もう…)
そう思った時、何処からか激しい咆哮が聞こえた。
「この声は、妖?まさか、主人を!!」
僕が声のする方を振り返る。
此処は社護りの結界の中。
そうそう妖が入って来られる筈がない。
だが、事実結界の中に妖が居ると言う事は相当な妖の筈だ。
「風花!主人を!!」
振り返り指示を飛ばそうと声を張り上げるが、風花は既に妖を追っていた。
「馬鹿!風花にそいつは倒せない!!主人に付くんだ!」
振り返る事は無く、鳥居付近の妖に攻撃を始める。
拝殿の屋根から飛び上がり、髪を結っていた飾り紐を解く。
何処から取り出したのか、紅葉の葉が弓へと変わる。
いつのまにか風花の着ていた小袖が純白になっている。
耳と尻尾が現れ、その姿は数百年間封印されて来た社護りの本来の姿。
思わず見惚れていた僕は急いで主人の所在を確認しに本殿に向かう。
ほんのりと風花の妖気を感じて悟った。
(僕が来た時から、主人には常に護りをつけているのか)
「隙がないなぁ…本当に」
念の為眠りの術を掛けてから、妖退治へ参戦しに急ぐ。
無表情ながらも、怒りを纏わせて風花は言う。
その空気はとても儚い危うさを持っていた。
「別に…ただ、僕はずっと風花の味方だってこと」
「どこぞの化け狐が私の味方で?だから、何?」
「……また、僕を見てよ……」
最後の呟きは、風花の耳に入る事は無かった。
「何と言っても無駄だよ。脅されても、日和様の味方だって確信出来るまで君を神使と認めるわけにはいかない」
風花が立ち上がり、僕を見下ろす。
その瞳は、触れる事なく、僕を見つめていた。
ー痛かったね、もう人を傷つけてはだめだよ?
(あの頃の彼女は、もう…)
そう思った時、何処からか激しい咆哮が聞こえた。
「この声は、妖?まさか、主人を!!」
僕が声のする方を振り返る。
此処は社護りの結界の中。
そうそう妖が入って来られる筈がない。
だが、事実結界の中に妖が居ると言う事は相当な妖の筈だ。
「風花!主人を!!」
振り返り指示を飛ばそうと声を張り上げるが、風花は既に妖を追っていた。
「馬鹿!風花にそいつは倒せない!!主人に付くんだ!」
振り返る事は無く、鳥居付近の妖に攻撃を始める。
拝殿の屋根から飛び上がり、髪を結っていた飾り紐を解く。
何処から取り出したのか、紅葉の葉が弓へと変わる。
いつのまにか風花の着ていた小袖が純白になっている。
耳と尻尾が現れ、その姿は数百年間封印されて来た社護りの本来の姿。
思わず見惚れていた僕は急いで主人の所在を確認しに本殿に向かう。
ほんのりと風花の妖気を感じて悟った。
(僕が来た時から、主人には常に護りをつけているのか)
「隙がないなぁ…本当に」
念の為眠りの術を掛けてから、妖退治へ参戦しに急ぐ。


