「いけません、日和様!強力な妖が侵入したのです!さあ本殿へお戻り下さい!」
さあさあ、と中へ押し込む私をよそに、日和は妖狐に話し掛ける。
「あなた、強い妖なんですって?だったら私の神使になって」
日和の言葉に、妖狐は扇を取り出して優雅に笑う。
「人の子風情が僕を神使になんて、面白い事を言うね」
その言葉に、日和の前だと言う事を忘れて妖狐へ向かって言う。
「私の主人を愚弄するな!お前なんか、八つ裂きにしてくれる…!」
「風花、待って」
その一言で一触即発だった私の妖力は風船のごとく萎んでいった。
「何故ですか日和様!この者は日和様を“喰らう”と言ったのです、“人の子風情が”などと!」
私が日和に食い下がるのを横目に妖狐はニヤニヤと嫌味に笑う。
「この妖を人神が一言で諌めるか…本当に面白い」
「日和様に手を出して見ろ!この私が殺してやる…!」
妖狐を睨み付ける私に対して、日和は嬉々として駆け寄った。
「狐さん、それは私の神使になってくれるってこと?」
私はこれ以上口出しする事は諦め、妖狐と日和の会話を静観するに留めた。
いつ、妖狐が手を出して来てもいい様に警戒はし続ける。
「そうだね、君は面白そうだ。人神を脅して遊ぼうと思っていたがやめだ。神使になってやる」
日和はその場で飛び跳ねて喜び、契約の話を進めいく。
「私は日和。よろしくね、狐さん」
「僕は千里だ。よろしく日和。それと安心しなよ、僕は妖狐の中でも善狐だ。人を喰ったりはしないよ」
離れた所から見ていた私は、2人の会話をよそに拝殿の中に入って行った。
さあさあ、と中へ押し込む私をよそに、日和は妖狐に話し掛ける。
「あなた、強い妖なんですって?だったら私の神使になって」
日和の言葉に、妖狐は扇を取り出して優雅に笑う。
「人の子風情が僕を神使になんて、面白い事を言うね」
その言葉に、日和の前だと言う事を忘れて妖狐へ向かって言う。
「私の主人を愚弄するな!お前なんか、八つ裂きにしてくれる…!」
「風花、待って」
その一言で一触即発だった私の妖力は風船のごとく萎んでいった。
「何故ですか日和様!この者は日和様を“喰らう”と言ったのです、“人の子風情が”などと!」
私が日和に食い下がるのを横目に妖狐はニヤニヤと嫌味に笑う。
「この妖を人神が一言で諌めるか…本当に面白い」
「日和様に手を出して見ろ!この私が殺してやる…!」
妖狐を睨み付ける私に対して、日和は嬉々として駆け寄った。
「狐さん、それは私の神使になってくれるってこと?」
私はこれ以上口出しする事は諦め、妖狐と日和の会話を静観するに留めた。
いつ、妖狐が手を出して来てもいい様に警戒はし続ける。
「そうだね、君は面白そうだ。人神を脅して遊ぼうと思っていたがやめだ。神使になってやる」
日和はその場で飛び跳ねて喜び、契約の話を進めいく。
「私は日和。よろしくね、狐さん」
「僕は千里だ。よろしく日和。それと安心しなよ、僕は妖狐の中でも善狐だ。人を喰ったりはしないよ」
離れた所から見ていた私は、2人の会話をよそに拝殿の中に入って行った。


