夜が明けて、私は日和より先に起き食事を用意する。
温かい食事が出来るように時間を調節する。
「日和様、朝餉の用意が出来ております。それと、こちらが本日のお召し物で御座います」
そう声を掛けると、日和はビクッと震えてから、微笑んで起き上がる。
「おはよう、風花。着替えるから少し出ていて。それと、洋服を着るから大丈夫」
「ですが日和様、神は神のお召し物を!」
「仕事の時はそうするわ。でも、こっちの方が動きやすいもの。普段は洋服でいいわ」
「…承知しました」
そうしてそっと襖を閉めて朝餉を持って行く。
昨日の夜、月に祈ったにも関わらず、社内の空気が騒がしい。
まるで、私の領域への侵入者を知らせる様だった。

襖の前に来て朝餉を置き、正座で一礼する。
そして顔を上げた時、
「やぁ、君が噂の社護りかい?」