──── 「もー、起こしてよね。起きたら誰もいなくて焦ったんだから」 「あはは、ごめんごめん」 お昼になり、いつもの場所で私達は話していた。 目が覚めたら教室には誰もいなくて、本当にびっくりした。 というのも、三限目の休み時間になるまで寝ていて、四限目のチャイムで起こされたからである。 移動教室だということをすっかり忘れていた私は、鍵のかかった教室に一人取り残されていた。 「初美、お腹空かない?」 咲良に聞かれて、私は笑って答える。 「あはは。実は朝ごはん食べ過ぎちゃったんだよね」