── 時間が過ぎるのは早かった。 あっという間に放課後になり、教室には私しかいなくなっていた。 いつもなら堂本くんもいるのに、今日はどうしたんだろう。 帰宅部の下校時間はとっくに過ぎている。 さすがに遅すぎない? 「……まだかな」 もしかして嘘? でも、堂本くんって基本は嘘つかないし…………忘れてる、なんてことはないよね? 不安とよくわからない感情が込み上げてきて、私は教室の中をうろうろする。