ドクン!と。

心臓に直接叩き付けられるような衝撃。

すずが悪魔の血を引いている肉体の持ち主だからこそ、耐えられた衝撃だった。

ここまでの威力の単把を人間に放てば、心停止は免れなかっただろう。

それでも。

「っはぁぁぁぁあぁあぁっ!」

すずもまた歯を食い縛って衝撃に耐え、ラリアットを振り切る!

腕を支点に宙で一回転して、リングに後頭部から落ちる龍一郎。

「ぐ…あ…」

流石に堪えた。

そのダメージに呻いていると。

「っ!」

すずが倒れたままの龍一郎に覆い被さってきた。

単把を受けて、心臓の鼓動が怪しい。

心停止までには至らないものの、ダメージは大きい。

それでも。

「フ…フォール…なの…」

すずは譫言のように呟く。

「龍太郎を押さえ込んで…3カウント…私が…勝つの…」