天神学園の奇妙な案件

別の控室。

「遅いな…何やってるんだろう…」

蛮が時計を気にしながらソワソワする。

準備に時間がかかるから、先に行っていてとルナに言われ、早目に彼女の控室に到着した蛮。

だが開場時刻を過ぎても、ルナは来ない。

痺れを切らし、スマホを手にしたその時。

「……」

ゆっくりと控室のドアが開き、ルナが入ってきた。

「ルナ!」

声を上げる蛮。

「何してたの、こんな時間まで!」

「二度寝」

「二度寝っ?」

ガビン!となる蛮。

「それから、ゆっくり朝食をとって、歩いて来た…」

そう言って、ルナは椅子にポスッと腰掛ける。

「気持ちのいい朝だね…朝が心地いいって感じるの、久し振り…」

吸血鬼のルナにとって、朝は本来就寝時間であり、睡魔は否応なく襲ってくる。

にもかかわらず、彼女は嘗てないほど眠気を催していない。

朝でありながら、魔力が最も高まる夜と同等の体調。

「今日は、いい試合が出来そう…」

ルナはうっすらと笑みを浮かべた。