まさか、今もって未熟な自分がいきなりメメントモリを使おうとは思っていない。

だが、最強の勇者シオン・グリフィノーの息子であるという自負はある。

メメントモリとは言わないまでも、それに匹敵するだけの技は完成させたかった。

タイマントーナメントまで1ヶ月。

女王召喚の負荷に耐えられるだけの魔力と体力を身に付けなければならない。

それが出来たら、『もう一段階上へ』。

時間が惜しい。

疲弊した体に鞭打って、ティーダは立ち上がる。

「あ…明日までには…女王1柱くらい召喚できるようにしねぇと…」

全くもって無茶である。