心を穏やかに保ち呼吸は自然に。

中腰になる、高い椅子に腰掛けるように。

踵を少し浮かし、足親指の付け根に重心をかける。

両手で大きなボールを抱えるように円を作る。

手の指全体が繋がっているような感覚。

頭は天から吊り下げられている感覚。

脚は地面の中に埋まって根を張っている感覚。

自らが中心である事を意識する。

顎は玉を挟むような感覚。

目は軽く開き、やや上の方を観る。

意識を遠くに放つ。

耳は僅かな物音にも反応する。

これらが立禅(りつぜん)の方法である。

立禅とは、立って行う東洋的瞑想法の名称。

太気拳では、基本となる修行方法とされる。

人間の内的な力を強力にし、瞬間的な爆発力(気の力)を養成する事を目的とする。

即ち、火事場の馬鹿力と呼ばれる潜在能力を、意識的に出せる事を最終目標として修練する。

心身をひとつにする、身体の中心感覚を養成する、人間の持つ本能を呼び覚まし動物的な反応や動きが可能になるなどが、立禅によって得られるという。