ルカの言葉に、龍一郎の心中はざわつく。

売られた喧嘩は買う主義だ。

それが子供だろうが女だろうが、挑まれれば受けて立つ。

「やりますか?今すぐでも、相手になってあげていいんですよ?」

上から目線のルカ。

いつもの龍一郎なら、それだけで激昂して戦闘開始だ。

が。

「馬鹿言え。ここは俺んちだぜ?親父やオフクロやじいちゃんばあちゃん、蒲公英だっていんだ。無関係の奴巻き込んでまで暴れんのが、テメェの流儀か?」

「……」

幼い故に己を曲げられない所もあるが、そこはルカも天神学園で教えを受けている生徒。

他人の為に私憤を抑えるだけの分別はつく。