静養を終え、蛮は当面の間、天神学園の中等部が預かる事となった。

知り合いの多いティーダ達のクラスが彼の居場所だ。

不慣れな学園の教室であてがわれた席に、居心地悪そうに座る蛮。

「おっはよー真久部っち!」

「おっす蛮、今日からクラスメイトだな」

そんな蛮を気遣ってか、蒲公英とティーダが声をかける。

「何か色々経緯はあったけど、同じクラスになったんだし、細かい事は水に流して仲良くしようね」

こういう所はやはり龍一郎の妹。

嘗ては敵であった蛮を、蒲公英は大らかに迎え入れる。

「魔道協会との縁は切ったんだろ?なら、もう敵対する理由もねぇしな。仲良くやろうぜ」

ティーダも、蛮の背中を叩く。

「あ、ああ…よろしく…」

こちらが拍子抜けしてしまうくらい、過去を気にしない連中だ。

これが誰でも彼でも受け入れて仲間にしてしまう、天神学園の度量か…。