家族全員で朝食をとり、龍一郎は登校の準備をする。

制服に袖を通すのも久し振りだ。

蒲公英は相変わらず、初秋のヒンヤリした空気の中でもホットパンツ。

妹ながら太股が眩しい。

「相変わらず水玉パンツ穿いてんのか、おめぇ」

「セクハラだ!変態兄!」

蒲公英が龍一郎の背中を引っ叩く。

仲のいい兄妹の様子を見ながら。

「気を付けて行ってくるんだよ、龍一郎」

「帰ってきたら、今夜はビーフシチューにしましょうか」

拓斗とペインが目を細める。

ペインのビーフシチューは、龍一郎は久し振りだ。

「お、やったぜ。また食えんだな」

ニッと笑う龍一郎。

「割と最近おばあちゃんが作ってくれたじゃん」

蒲公英は不思議そうな顔をした。