「取り敢えず」

すずは言う。

「今は未来の事を知っているのは龍一郎だけだから…何か起きなかった事、起きてはならない事が起きているようなら、それとなく防ぐようにして。詳しくは説明してくれなくてもいいから、私にも話してほしいの。そうすれば、出来事の方向修正くらいは手伝えるの」

「ああ、分かった。そうする」

頷く龍一郎。

「それから…俺をこの時代に送り返した、黒幕がいる筈なんだ…そいつを探さなきゃいけねぇ…さっき言った通り、魔道協会の…」

「バルトメロイ・グレゴリオなの?」

「多分」

すずの言葉に、龍一郎はもう一度頷く。

「もしかしたら、アイツも未来から来た可能性のある奴なんだ。だとしたら、ものすげぇ強ぇ奴かもしれねぇ」