その場で貴慶は美優を柔らかく抱き留め、耳許に顔を近づけてから、 「好っきゃで」 と小さくささやいた。 言ってもらいたかった言葉を、しかし何の気持ちの準備もないまま貴慶から聞いてしまった美優は、 「…あたしも」 と言いながら、首筋まで真っ赤に熱くなっている。